オモシロ収支

何かを楽しんだり、好きになるのにもコツがいる。

人は、自分に関係あるかもしれないもの、自分の役に立つかもしれないものに興味を抱く。

「気になる」という最初のステップは、そんな公式とは関係なく自然に踏み出されるものだろうけど、あとから振り返って分析してみると、あぁ、自分はひょっとして、こんな部分に自分との関連を見いだしていたのかな、なんて思えるツボがあったりする。

どんなことも深堀りすると、ほとんどの場合、どこかでつながる。関連が見える瞬間があるのだ。

テレビの番組で、異なった分野で仕事をしてきた人どうしが対談するという内容のものを見たことがあるが、まったく異業種に見える各々の取り組みの間に、相通ずるものが見えてくるから面白い。仕事上の見かけ、身なりやファッションといった、表面的、形式的な部分がかけ離れて見えるものどうしほど、共通点が挙がると面白いのである。

複数のものごとの間に、共通点や関連を見つける力は、どんなことにも応用がきく。

これが何につながるのかという予測を立てる力。

出会った人、手元にある素材をかけ合わせて構成する力。

致命的な危険を避けながら、積極的に世界を見て回る冒険力。

こうした力は、高まるほどにより高まりやすいカーブを描く。

逆にいうと、おもしろくなりだすのに時間や根気を要することであったりもする。

あきらめずに続けること、つらい時期があっても耐え抜くようなことは美化されやすい。

しかしなんのことはない。

その先にオモシロさという、至上の純利益が転がっているだけのことである。