思い直す「人」

人は一人で、思い込む。

人はみんなで、思い直す。


向き合い過ぎても、向き合う対象以外のものから逃げていることになってしまいます。逆に、いくら拒絶しても、事実は事実に変わりありませんから、受け入れることから逃げていることになってしまいます。何かを決して見ないようにするのは不自然なことだし、一点だけを見つめ続けて歩いたら、いろんなものにぶつかってしまうでしょう。あちこちに目線をやりながら、立ち止まったりしゃがんだり、道草を食ったりしながら、大局的に見ると一定の方向にゆっくり進んでいる。そういうものなのかもしれません。


自然にものを見て、ときおり涙を流したり、笑ったりしていたい。そのことを助けてくれるのが、「誰かと一緒に」いたり、おこなったりすることなのかもしれません。となりに誰かがいることで、向き合えずにいたこと、視線をそらしてばかりいたものを、一緒に見ることができるかもしれない。逆に、ひとつのものにとらわれていた人を振り向かせるのも、となりに立つ誰かかもしれない。世界に自分ひとりだという思い込みを晴らすのは、他でもない「誰かと一緒にいること、やること」なのだと思い直します。


思い込むも、人間。思い直すも、人間。