心づもり、見つもり、愛したつもり。

愛情表現のつもりで、こちょこちょやる。あえてうざったらしく、絡んでみる。


相手は、迷惑かもしれない。


愛するとはどういうことか。ひいては、信頼関係、パートナーシップとはどういうものか。男女の仲において?夫婦において?家族の間ではどうか?友人や知人だったら?今日初めて会う赤の他人だったら?とにかく僕は、いろいろと勘違いや、思い込みをしているかもしれない。


僕が親しみを込めて言った、冗談。悪口と取られるかもしれない。


僕が撫でたつもりで触る。叩かれたと思われるかもしれない。


僕が元気よく返事をする。怒っていると勘違いされるかもしれない。


僕が相手を思いやって、あえて声をかけないでおく。無視されたと思われるかもしれない。


僕が本当に思う愛や親しみを込めた音楽を、心から真剣に奏でる。なんと自己満足に酔ったかなしい奴か、と見過ごされるかもしれない。


僕が、おいしくなるように工夫をこらして作った料理。それが、誰かの苦手な食材だったりするかもしれない。


僕が良かれと思って片付けておく。隠されたと認識されるかもしれない。


僕が良かれと思って先回りして何かやっておく。あなたは無能だから私がやっておきました、というメッセージに取り違えられるかもしれない。


態度や仕草、あらゆるおこないに込める、「つもり」。心づもり。見つもり。相手と認識が違うものだけが、「つもり」と呼ばれる。合っていれば、「つもり」じゃなくて、本当に成立するのだから。


愛しているか。


愛した「つもり」か。