日記帳にミミズが踊る

日記を書いています。毎日書くのが理想ですが、2〜3日分、溜め込んでしまうことがあります。それでも、なんとか1年半くらい続いています。


眠くて眠くてしょうがないけれど、まだ書けていないから終わりにしないで机に向かい続けたとき、日記帳にミミズが踊ります。書こうという意思を伴わずにペン先が紙のページの上を滑り、浮き上がり、また滑り、触れたり離れたりして、めでたくミミズたちがこの世に生を受けるのです。


日記帳以外にも、これまでわたしはいろんな紙のうえにミミズを生み出してきました。生み出そうとする意思がなくとも、誕生するのです。


薬を飲むと、狙った効果の他にそうでない効果があらわれる場合があって、そういうものをわたしは副作用と呼んでいます。


ある効果を狙って薬を飲むというおこないに、副作用がともなう。似たようなことは、服薬以外のおこないについても、あらゆる時、あらゆる場所で起こっています。


わたしが日なたに立ったとします。そこに立つきっかけとなった意図は、なんでもよいです。暖かい光をあびたかったとか、そこに立つことで視界に入らなかったものが見えるようになるとか、まっすぐこちらに向かってくるものを避けられるとか。


そこにわたしが立つと、わたしのからだが光を遮って、影ができるでしょう。それをわたしは望んだわけではありませんし、意図したわけでもありません。でも、わたしのおこないにともなって、そこに影を落とす結果になるのです。


わたしが日記を書こうとして、眠くなって、ミミズが紙の上に踊るように。


お読みいただき、ありがとうございました。