アンドロイドいかがですか

風邪をひかない身体。これ、この世で私が最もほしいもののひとつかもしれません。いっつも万全でいられたらいいのに。


かといって、からだを完璧なアンドロイドにいれかえられます、お代もいただきません、あなた、どうしますか? と訊かれたら、持ち前の優柔不断を存分に発揮しまくって私は悩んでしまうかもしれません。体調管理失敗のリスクからそんな形で逃れることは、なんとなく、私の生きるルールに違反するのではないかという気がしなくもありません。


「風邪は、寝て治します」という人に出会ったことがあります。それだけなら普通ですが、なんだか、確か3時間とかそこらで、寝て治すというのです。すごいなそれ、どうやるの? みたいなことを訊くわけですが、どうも、しっくりくる答えが得られるわけでもない。だって、「寝る」だけなんですって。


それを真似して、というわけで、私も風邪をひいたとき、「よし、治す。」と考えながら寝てみたことがあります。ただ、考えるだけです。いえ、考え未満、「思う」だけです。「身体よ、治れ〜〜、良くなれ〜〜」と。じぶんの身体の内側の様子、内蔵や体液やあらゆる器官やらの動きとかを意識するのです。血だかリンパだかの体液がからだを循環するペースが、邪魔されることなく、滞りなくいって、悪いものがどんどん排出されるイメージをするのです。ただ、イメージするだけで、身体の自律をただただ見守る、というだけのものなのですが。


そうしていると、そのとき、なんだかふっと眠くなってしまいました。そうやってイメージをしたから眠くなったのかどうかは、正直わかりません。身体の奥のほう、背骨に近いところか、内蔵かわかりませんが、じんじん、じんわりじ〜んとしてきて、ふわっと眠くなったのです。


ただ私は、風邪をひいていないときでも、入眠に関して悩むことがなく、横になったら気付かないうちに眠れる(気付かないのは当たり前かもしれませんが)ので、ますますいっそう、治すイメージをしたこと、身体の代謝に意識を注いだことによって入眠が促されたのかどうかわかりません。


そして、寝たはいいが、いつもより早く風邪が治ったかどうか、これもますますよくわかりません。とくにその効果を実感することもなく、「はぁ〜〜風邪なおらねぇなぁ。一年中ひいてるなぁ。子どもがいるからもらってしまうのかな。それとも年かな。老化か。一回ひいたら、2ヶ月くらい影響が残る気がする。治りかけたらもらって、こんどはもらわないぞと思ったらじぶんでひいて、一年中、もう基本チョーシ悪い。」なんてことを実感しっぱなしの近年です。



お読みいただき、ありがとうございました。