前日は無防備

2011311日のことはよく覚えています。いえ、実際にはそんなに覚えてもいないのですけれど、他の某日よりはいくらか思い出せることがあるほうなのかななんて思います。


ところで、2011310日は、私は何してただろうか。その翌日のことは、話題にする機会が多かった。でも、その前の日はどうか。ぜんぜん、これまで、思い出すことも振り返ることもなかったように思います。だって、思い出しても振り返っても、何も出てこないんですもの。


2011311日は、金曜日でした。あまり曜日を意識したことはなかったから忘れていたけれど、そうそう、確かにそうだった。私は、自分の家から通勤時間30分未満程度の中学校に働きに行っていました。「特別支援学級」の生徒たちの、学習のサポートをする仕事を当時やっていました。だから、2011311日の前日にあたる10日(木曜日)もきっと、学級にいて、生徒たちの授業をサポートしたり見守ったり、一緒に給食を食べたり、職場と家の往復をしたりしていたのかな、なんて思います。(日中の仕事はさておき、)当時も今も、私は演奏や歌唱をして、バンドや弾き語りをやる活動をしていましたから、あるいは帰宅してそんな音楽のことに身を傾けていたかもしれません。(今は既婚ですが)まだ結婚もしていない頃でしたから、実家に住んでいたっけ。どうでもよい私的なことを、すみません。 あるいは、その「学級の支援の仕事」は臨時の扱いでしたから、必ずしも週五日平日に決まって出勤があるというわけでもありませんでした。ですので、2011310日に私が過ごしたのは休日然とした一日だったかもわかりません。曜日によって定休がある、というわけでもありませんでした。土日祝は行事でもない限り、休みでしたけれど。


と、2011311日を前に、前日の2011310日を振り返ってみても特に何もないのでした。あ、もう11日ですけれどね。こんなものをここまで読んでくださってありがたいです。


ちなみに2020310日(昨日ですね)は粛々と仕事をして過ごしました。朝にも夕方にも雨に降られた日。傘、いらないかな〜と思っていつもの自転車で出かけたら、思いのほか絹のような雨が濃密でした。職場でヒーターにあたりながら、濡れた上着を脱いで乾かしつつ、脱げないTシャツやジーンズをまとったまま体温で乾かしながら仕事をしました。お昼も弱い雨が降っていたから、職場の最寄りのハンバーガーのお店で食事。生まれて初めてのタピオカドリンクを、あえてホットで注文して飲んでみました。ストローで吸ってもやけどしない温度だったので、なんていいお店なんだろうとそこに感動していました。あ、味も良かったですけれど。(ハンバーガーもね。)


夕方になっても雨は止まず、ちょっと弱まった昼よりも、なんなら朝よりも、勢いを失わずむしろ強まる。無駄な抵抗をせず、朝と同じ無防備な自転車と無防備な服装で(日中職場のヒーターで乾かした上着を元通りにまとって)行く、雨の街路。こんなに頭の中が「帰ったあとの風呂」のことでいっぱいの道中もそうありません。(嘘、年に何度もあります。)


一晩、室内に吊るしておいた昨日のジーンズに触れてみたら「うわ、。」まだ内側になっていた部分が湿っています。



お読みいただき、ありがとうございました。



青沼詩郎