散歩にかける「ムダ保険」

ついつい旅行に持って行きたくなるもの

・文庫本
・ノートパソコン
・スケッチブック
・五線ノート

旅行に持って行ったけど使わずに帰ってくることの多いもの

・文庫本
・ノートパソコン
・スケッチブック
・五線ノート

僕はどこか、旅や出先でクリエイティブな自分になれるような幻想を抱く癖があるらしい。

まとまった旅行じゃなくても、ついついあれこれ持って出かけたりして、使わずにそのまま持って帰って来る。

僕は出かける目的があいまいだ。旅行のときもちょっと出かけるときも、何をするかあまり決めずにふらっと出ていく。強いていうならば、散歩をしたくて出かけるのかもしれない。

散歩には本もノートパソコンも必須ではない。疲れたらカフェに入って少し休もう、そのときにちょっと使うかもしれない、そんなイメージを持ってそれらをかばんに入れるのだけれど、休むときは休むので手一杯だったり、その場にあるものや人、建物や内装、ドリンクを楽しんだりしているうちに他のことにまで及ばないことも多い。また、ひとたび歩き出すとスイッチが入るのか、カフェで休憩などせず最後まで歩き倒して帰ってきてしまうことも多い。

散歩そのものに必需品はない。当たり前なようなことを、改めて思う。

荷物がちょっと重いくらいで命とりになったりしないから、気楽なものである。

厳しい自然に立ち向かう冒険だったら、何を持って行き、装備がどれくらいの重さになるのかはとても重要なことだろう。

冒険家の人のリュックには、本もパソコンも入っていないことを予想する。

何らかの通信端末は持っているかもしれない。

しかし、僕とは違う用途で装備に入れていると思う。

冒険家のものに比べたら、都市生活を送る人の荷物は無駄が多いかもしれない。

「ムダ保険」をたくさん抱えて、自分の足を休ませて電車やバスで移動する。

移動中に「ムダ保険」を発動する人は多いかもしれない。

どうしてもやらなきゃいけないことは、電車やバスに乗る前に済んでいる。